asobi基地・関東 アウトドア部の活動再開第一弾は、2020年11月7日(土)に実施した、「asobi基地やまあるきレベル0 at 横浜市民の森〜鎌倉ハイキング」です。

高低差がほとんどないので、山歩き未経験者や、ビギナー向けとしていますが、全行程は約8km(鎌倉駅まで歩けば約10km)。数字だけを見ると、ちょっと尻込みしてしまう方もいるのではないでしょうか。

「うちの子、体力ないので……」

いえいえ、これまで数十名が参加していますが、4歳児でも難なく歩きますし、今回は2歳児が7〜8割を自分の足でとことこ歩きました。

さすがに、2歳児より体力がないということはないのでは?

歩く=移動することは、本来、人を魅了する。そこに「未知」があるのなら

こんにちは。asobi基地・関東 アウトドア部のよりかね隊長です。

「歩く」ということは、人間にとって基本中の基本と言える動作で、ほとんどの場合、一生付き合っていくことになります。

ともすると、義務とでも言いますか、移動するためにやむなく歩かなければならない、という感覚に陥る方も、少なくないのではないでしょうか。

でも、歩くことや、移動することに、幸福感を伴うケースもあります。

移動した先に、“未知” があるときです。

旅行が、ほとんど誰もを魅了するのは、どんなところかな、何があるのかな、なにをしようかな、と好奇心をくすぐるからです。

たとえば、人生に置き換えてみましょう。もし今の仕事を死ぬまでずっと続けなければならないとしたら、強烈な閉塞感にとらわれるはずです。

あと●年は頑張る。子どもの手が離れたら。定年でリタイアしたら。

そんなふうに、(実際にどうなるかはわからないけれど)ずっと同じではない、将来に変化があると信じられるから、今を頑張れるはずなんです。

自宅と会社の往復、自宅と学校の往復、自宅と塾・習い事の往復。

字面を見ただけで、退屈な移動であることが、ありありと伝わってきます。

このような場合、人は、歩くことによる疲労にばかり気が向いてしまいます。

「疲れた」「足が痛い」「もう歩きたくない」

お子さんが、そんな言葉ばかりを口にするとしたら、「歩く」「移動する」という行為が本来的に持つ楽しみを、知れる環境がないのかもしれません。

もちろん、東京都、とりわけ23区内在住であれば、運動不足に陥りがちなのは事実だと思います。それくらい特異的に人口密度が高く、道は狭く、余白は少なく、街は窮屈に作られています。

でも、asobi基地やまあるきでは、3,000m級の山に登ったり、エクストリームスポーツをしたりするわけではありません。運動不足と言っても、病気で寝たきりだったわけでもありません。

特別なトレーニングは必要なく、基本的には誤差の範囲だと言ってしまうことができます。

実際、asobi基地やまあるきレベル0に参加してくださったみなさんは、9割が東京都在住の方々です。

それでも、今までに、8kmが歩けなかった子はいませんし、それどころか、弱音を吐いてちっとも進まなかった、という子すら、一人もいません。

asobi基地やまあるき版 4つのルール

どんな秘密があるのか、気になりますよね?

asobi基地には、元来、ベースとなる価値観をまとめた4つのルールというものが存在します。

これを、エッセンスはそのままに、山歩き版にカスタマイズしたものが、上の画像です。

種明かしをしてしまえば、子どもたちを見守る大人が、この4つのルールをちょっと意識しさえすればいいだけ。

えええ本当に?にわかには信じがたい……

そう思うかもしれませんが、これが実際にフィールドで起こっている事実です。

2020年11月7日(土)に実施した、「asobi基地やまあるきレベル0 at 横浜市民の森〜鎌倉ハイキング」から、いくつかのエピソードを紹介していきます。

おれ、登りがあるほうがいい!

まるで、昔からの親友のように、仲良く歩いていますよね。

でも実は、asobi基地やまあるきで初めて会った二人です。どちらも小学校に入学したばかり。

一人は新型コロナウイルスのせいで、家に引きこもっている期間が長かったそうで、久々のアウトドアでの活動でした。

出発前に、子どもたちと確認したルールは3つだけ。

  1. 会った人には挨拶をしよう
  2. 森や山では投げないで遊ぶ
  3. 必ず誰か一人は大人と一緒に歩く

それ以外は、自由で、何をしてもいいよ、と伝えました。

ドングリや葉っぱを拾ったり、虫を捕まえたりしてもいいし、友だちと遊びながら行ってもいいし、わざと道から逸れたり、岩に乗ったり、木の根によじ登ったりしてもOK。

すべてが正解で、尊重されるべき、森や山の楽しみ方です。

一方で親の側には、

「鎌倉まで行きたいのは、親の都合なので、理不尽に子どもに押し付けないようにしましょう」

という主旨の話をしています。

いちいちドングリを拾ったり、虫を捕まえたりしていれば、そうでない子たちからどんどん遅れてしまいます。

でも、遅れたからって、なにか問題があるでしょうか? 我々、ゴールに到達することを過剰に重視しすぎてしまいますが、冷静に考えてみると、なぜそんなに必死なってしまうのか、よくわからなくなりませんか?

(多くの場合、「せっかくここまで来たのに」という大人の都合だったり、山は登頂しなければ意味がないという思い込みだったりします)

イベントだからと言って、みんなで一緒にいなければいけない理由なんかありませんし(楽しみ方は人それぞれなのですから)、LINEオープンチャットで全員で連絡を取り合っているので、はぐれる心配もありません。

大切なのは、子ども自身に「自分の行動の選択権は自分がにぎっている」という実感を持ってもらうことです。

逆に、

「みんなから遅れないように歩きなさい」「変なところを通らずきちんと歩きなさい」「遊んでいないで進みなさい」「危ないからダメ」

と言えば、子どもはどんどん “やらされている感” をつのらせ、「疲れた」「足が痛い」「もう歩きたくない」を連発します。なんでゴールまで行かなければいけないのか、納得できませんからね。

以上のように環境を整えてあげることで、子どもたちはイキイキと森の探検を楽しみます。

とある分岐に差し掛かりました。

片一方は、尾根道で、高低差も少なく、それほど苦労なく歩ける道。もう一方は、いったん低地まで降りて、横浜市最高峰の大丸山(156.8m)へ登り返す道で、距離は変わりませんがコースタイムでは倍ほどかかります。

ここで、私は子どもたちにあえて、どっちに行く?と聞きました。

すると、ほとんどは尾根道を選びましたが、写真の小学生コンビだけ、「登りがあるほうに行きたい!」と主張しました。

実際、そこそこ息のあがる道で、「おれ、こんなに登ったの、はじめてかも」と一言。

久々の運動で負荷がかかりすぎたのか、「脇腹が痛い」と言い出す場面もあったのですが、自分のペースでいいよ、と見守っていたところ、特に弱音を吐くでもなく、元気に合流地点まで歩ききりました。

お母さんと離れて歩いたのですが、再開してからの得意げかつ満足げな表情は、忘れられません。

2歳児、8km(の7〜8割)をトコトコ歩き切る

とは言っても、さすがにこの私もびっくりさせられたのが、2歳5ヶ月さん。

これまで、4歳ならまあ歩けるという経験則はありましたが、2歳はどうかな?抱っこも多くなっちゃうかな?と考えていました。

ところが、30分ちょっとはお昼寝をしましたし、「抱っこ」という時間もあったのですが、それでもトータル7〜8割は、自分の足でトコトコ歩いたのではないかと思います。

やはり大切なのは、子どもの目線になって、楽しんでいるものをしっかり尊重してあげることです。

ぜひこちらの動画を見ていただきたいのですが、地面からはえた2本の竹を交差させて、バツをつくり「ぶー」と言って遊んでいます。

大人からすると、どうでもいいことに感じられ、ついつい「そんなのいいから早く行こう」と言いたくなってしまいます。

このときも、最後尾で遅れていましたし、他参加者に迷惑をかけて申し訳ないからと、もしasobi基地以外のイベントなら、強制終了させることになっていたかもしれません。

でも、見てください、この満面の笑みを。

どれだけ満ち足りた時間を過ごしているのか、わかりますよね。

これを潰してまで、しなければいけないことなんて、本当にあるんでしょうか?いや、ありませんよね(確信)。

数分間、ずっと「ぶー」と言って遊び続け、あるタイミングで満足したようで、ニコニコと先へ進むのを再開しました。

他にも、わざと岩によじ登ってはズリ落ち、ついには登頂を成し遂げて満足気な表情を見せたり、

落ち葉のプールを見つけて、延々とかき混ぜて遊んだり、落ち葉が溜まっている道の隅っこを音を立てながら歩いて遊んだり。

8km歩けと言ったって、子どもはまず歩かないでしょう。

でも、進めばその先には、また違った遊び場があるのだとわかれば、未知の魅力にわくわくしながら、疲れに意識を向けることなく、どんどん歩くのです。

楽しみ方を「目的地(山頂)に到達すること」と大人が限定してしまうか、それとも、子どもそれぞれの楽しみ方を最大限に尊重するか。

山に登ることが目的か、山を好きになってもらうことが目的か。

これが、世の中の多くの山登り系団体と、asobi基地・関東 アウトドア部の大きな違いです。

やまあるきレベル0 次回開催は年明け?

「asobi基地やまあるきレベル0 at 横浜市民の森〜鎌倉ハイキング」は、いつでもやろうと思えばできるイベントです。

ただ、年内は、年末に差し掛かるのもあり、ちょっと難しいかもしれません。

年始はしばらく鎌倉が混雑し、1月下旬には白馬ゆきあそびですので、現実的には2月ないしは3月になるでしょうか。

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